高齢者・障害者雇用促進の取り組み
ハローワークを始め地域の障害者支援団体、同公共団体、教育機関等と連携して、高齢者・障害を持つ人が安心して働ける場所を提供できるよう積極的に取り組み、地域社会へ貢献してまいります。
障害者雇用の経緯
玉屋リネンサービスでは昭和61年より障害者雇用を始めました。きっかけは、責任者の身近に障害者がいたことから、「障害者にも働く場を与えてあげたい」という生産部長の思いがありました。
現在は、7名の障害者が働いています。
内訳は聴覚障害者2名(勤続13年・女性、勤続12年・女性)、知的障害者4名(勤続13年・男性、勤続13年・男性、勤続1年・男性、勤続1年・女性)、精神障害者1名(勤続6年・男性(※高次脳機能障害で精神障害者保険福祉手帳を取得したため精神障害と分類しています))の7名です。
採用経路について
地域障害者職業センターおよび市障がい者就労支援センター等の障害者雇用支援機関、知人の紹介となっています。
近年は採用にあたっては支援機関のジョブコーチを活用しています。
障害者雇用はできるだけ行う意識はありますが、障害者だけでなく、パートタイマー、外国人、高齢者などとのバランスを考えながら行っています。
取り組みの具体的な内容とその効果
玉屋リネンサービスで働く障害者は働く意識が高く、仕事も十分にできています。知的障害のある4名の従業員は、仕分け、タオルたたみ、ハンガー掛けなどの仕事に従事しているが、働く意識と能力育成の理由は以下のとおりです。
障害者である従業員への対処
仕事を与える工夫としては、実習時に支援機関のジョブコーチを活用しています。
また、玉屋リネンサービスとしての工夫は
- 1.仕事内容を固定する。
- 2.一度にたくさん教えない。
- 3.家庭とのコミュニケーションを綿密にとる等があります。
特に3.を重視しており、保護者が熱心な場合は本人の職場適応がよいです。
また、聴覚障害のある従業員に対しては、連絡はファックスを用いています。工場では聞こえないことによって気づかないことから起こるけがが一番心配であり、気を使っています。
従業員の意識変革
玉屋リネンサービスでは昭和61年から障害者雇用を始めましたが、それ以前にも従業員の中にたまたま障害者が働いていました。
企業として障害者雇用を開始する前は、障害のない従業員が障害者である従業員に対して差別や排除がありました。
障害者雇用を始めてからは、企業幹部自ら障害者である従業員に対して人格的に同等にみるように心がけました。
企業としてのレクリエーションや忘年会も特別視せずみんな一緒に参加し、「人間として同等にみる」という文化が醸成されていきました。
現在は、従業員の中に差別意識はほとんどなく、職場の雰囲気はよくなりました。
また特別支援学校や、障害者就労移行支援事業所など障害福祉サービス事業所からの実習を随時受け入れるようにしており、従業員も障害者に対して慣れています。
このようにして従業員の意識変革を行いましたが、外国人や高齢者、障害者、女性のパートタイマーなど、多様な従業員が働く職場であることが一番大きく影響しているようで、「多様な人たち」の中に「障害者」もいることから、自然と意識変革されていったように思われます。
企業としての意識
玉屋リネンサービスでは、障害の有無によって賃金など待遇の差をつけることはありません。もちろん、従業員全員が同じ待遇でもありません。「障害の有無」ではなく、「その人の働き」によって賃金が違っています。その考えを徹底していますので、障害者である従業員も障害のない従業員も働く意識があがっています。
このように、経営陣の意識が従業員の意識に大きく影響しています。このことから、「適材適所」を大切にしています。
取り組みの具体的な内容とその効果
玉屋リネンサービスとしての障害者雇用に対するジレンマはいくつかあります。
一つは、障害者である従業員に対しても障害のない従業員と同等にハッパをかけ、尻をたたいて頑張らせたい、そしてもうワンステップアップさせたいという思いもありますが、障害のことを考えるとなかなかそれができないというジレンマです。
障害者雇用はもっとしたいが企業としての限界も感じていることから、ゆくゆくは障害者自立支援法による障害福祉サービス事業所(就労継続支援事業など)の運営も視野に入れています。
企業経営のノウハウを障害福祉サービス事業所に活かし、障害者の働く場をもっと増やしたいというのが玉屋リネンサービスの障害者雇用に対する考え方です。
玉屋リネンサービスが障害者雇用で一番大切にしているのが「従業員の安全」です。